【場所】八ヶ岳、稲子岳
【メンバー】こうの、なかさん、やーご
【形態】個人山行、冬季バリエーション
【天候】/22雪、/23曇り
【行程】/22 みどり池ゲート前駐車場[12:00]--しらびそ小屋[13:15]
/23 しらびそ小屋--南壁左カンテ取付き--終了点--しらびそ小屋--ゲート前駐車場==各地
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
冬季の恒例となりつつある稲子岳 南壁 左カンテに行ってきました。
今回はひらびそ小屋泊まりの翌日アタック。冬季登攀のレベルの足並みが揃っているパーティーなら十分に日帰りもできるのですが、そこは齢を重ねてきたご褒美という事でしっかりと日頃の疲れを養生してアタックという形式にしました。（って、土曜日の天候が下り坂ってのがホンとの理由です 笑）
初日は入山のみということで、東海道線の二宮駅に8時に集合し昼過ぎに稲子湯の登山口をあとにしらびそ小屋に向かいましたが、予報より早く崩れて途中から小雨。小屋に到着する頃にはみぞれになっていました。東面の恩恵で風はそこそこ。
なかさんが思案の末に雨具を装備したのでライバル心を燃やして俺は雨傘。小屋までは快適に雨を凌げました（笑
しかし、夕方からは予想以上の暴風雪！
東面ならさらに強烈な風雪だったはずです。朝までに10cm程度の積雪になりました。
明日がメインなので今回は歌の時間は参加せずに19時に就寝。
5:30に小屋の朝食をとって、フル装備を纏い、南壁へ出立。
他にも登山パーティーがいたのでトレースのことなど気にしていませんでしたが、小屋から出るとトレースなし。でもまぁ10cm程度で雪が軽いので冬季の南壁までのアップにはちょうど良かったかもしれません。
先々週も稲子にきたのですが、取り付きまでオレンジのテープで迷う事が難しいくらいマークされてました。地形図をみながらルーファイしてアプローチする事もバリエーションの大切な技術なのですが、これはこれで助かる方もいられるので当然利用させてもらいましたが、テープを遠目に見ながら無雪期は厳しい傾斜をガンガン直登できます。
1P目は俺。今季はアイゼントレもしてないし、ルートも年末に西穂西尾根に入っただけでしたのでテイクオフで踏ん切りがつかず、一旦フェースのルートから外れて打たれてる赤いハーケンにクリップしてクライムダウン後再トライ。このフェースはテイクオフからの２～３手が核心です。
赤いハーケンにクリップすると落ちれば振られる事になりますが右上にランナーがとれる安心感がありますのでガンバれます。赤いハーケンからトラバースするのはフラットソールでも厳しいのでアイゼンでは凹角をルートとした方が良いでしょうね。
2P目はなかさん。さすがにアイスクライミングを好物としているのでドライ感覚でスルスルと凹角を抜けていきました。余裕があるので稜に抜ける岩塊の下で折角持ってきたカムを使ってました。
2P目のビレイ点。今日は西高東低の気圧配置の真っただ中のためそろそろ風が強くなってきましたが、振り返る東天狗はガスにまみれて時折見れる稜線では雪煙が舞ってます。うーん、東面の恩恵は十分に得られてますね。
3P目はやご。
正規のチムニーから一段乗り越えて稜に戻りますが、チムニーから一段乗り上がる箇所がバランシーで手掛かりがカチのため手袋だと結構キビシイのです。俺はフォロアーでお気軽モードでしたので当然A0！
チムニーから稜に戻ったなかさん。
4P目もやご。
「行くの？」と聞いたら「行きます！」っていうんで、お願いします。
このピッチはビレイ点からだと登攀の様子が見渡せないので、ビレイ点から一段上がった稜上の岩にセルフを取ってビレイした方がよろしいかと。
最後の核心部を乗り越すなかさん。
ここは薄かぶりで乗り越す際は甘いホールドで体を外に出さなければいけないため、それなりの登攀力と勇気が必要です（笑
やごさんは二便目を空身でトップアウト。
左カンテは純粋なフェースが少なく、力技でチムニーや岩塊を乗り越えていくパートが大部分です。フラットソールなら簡単にイケるのですがアイゼンだと疲れます。冬はもう3回目、会のメンバーも3人が経験者になりましたんで、次回はハイキングルートで稲子集中を希望します。
（こうの 記）
