グラッチェ 会の記録


神奈川横浜を中心に、春山・夏山・秋山・冬山、すべての山で活動している山岳会です。
教育山行ももりだくさんです。ただいまメンバー募集中。

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2016年7月30日土曜日

北岳バットレス 下部フランケ

【日程】 2016/7/30-31
【場所】 北岳バットレス 下部フランケ
【メンバー】 こうの・こやっぴ(カモの会)
【形態】 個人山行(無雪期・バリエーション)
【天候】 晴のち曇り
【行程】
 30日:
 芦安[5:30]==広河原[6:30]--[8:00]大樺沢二俣[8:30]--[10:15]五尾根支稜取付き(アンザイレン)[10:50]--(2P)--[11:40]下部フランケ取付き--(3P)--[14:10]下部フランケ終了点--(2P)--[14:25]Dガリー下降点[14:50]--(懸垂4P)--[15:50]Dガリー大滝基部[16:10]--[17:15]白根御池BC
 31日:
縦走隊に加わり、白根御池--北岳--八本歯のコル--白根御池--広河原==芦安
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今年の恒例の夏の北岳登攀はカモの会のこやっぴさんと下部フランケに入ってきました。

当初の予定は2日目に下部フランケ~奥壁の継続を考えていたのですが、帰りのバスの時刻を考えると最悪はヘッデンになっても時間に余裕がある初日に抜けてしまおうという魂胆で初日にアタックとしました。
結局、二人とも寝不足で大樺沢二俣からはかなり足取りが遅くなり、時間的というより体調的にムリがありそうなので下部フランケのみの登攀となりましたが...。


金曜日21:00にこやっぴさんと新松田で待ち合わせて芦安まで。
駐車場の混雑を予想していたけど、そこそこ空きがある状態でいつもの場所にグラテンを張る。
翌日の朝一入山と初日アタックを考慮して軽く入山祝いをするつもりが、30分ほど遅れて到着した縦走隊の勢いに巻き込まれて寝たのは 1:30(>_<)

朝一のバスのために4:00起床なのだが、テント内が暑すぎてであまり熟睡できなかったし。

さらに朝一のバスが満員で乗れずに臨時で出たタクシーに30分遅れで乗るはめに。

芦安バスは混雑すると係員が極度にパニくり乗客が大混乱になるのを何とかして欲しいと思うのは俺だけじゃないよね(笑

といいつつ何とか広河原に入山できて、イザ出発!


寝不足はそんなに影響ない感じでサクサク大樺沢ルートを詰めあがりますが、
天気も良さげで暑い中を進むうちに足取りが鈍くなって...。
二俣までは1.5時間で到着するも、二人ともかなりバテバテになってしまいました。
芦安の出発でツマずいたので一日で抜ける予定を変更し、
二俣でまったりしながら幕営装備をデポって再出発。



意気込んで二俣を出立したのはいいけれど、そうそうに更に足取りが...。
C沢からDガリー大滝までのアプローチでは、バテテるわけではないけど、
少し歩くと足が攣り、少し休み、また歩き足が攣るの繰り返し。
毎回反省しない自分(^^;)を反省して何とか大滝基部へ到着。




今日は五尾根支稜から2ピッチ伸ばして、下部フランケへ取り付く予定でアンザイレン。
左上ランペを歩いて、五尾根支稜のフェースにコヤッピさんがテイクオフ。
ここから本番なんで足が攣ってるなんて忘れて、登攀開始です!


1P目(五尾根支稜) 3級 50m こやっぴ
何のことはないフェース~稜の右階段状から稜頂の潅木でビレイ。


2P目(Dガリーの側壁凹角)3級 40m こうの
 凹角から出口の残置にてビレイ。

1P目終了点からDガリーのガレ場をロープを抱えて移動後、
何のことはない草付の凹角


3P目(下部フランケ1P目) 5級+(5.10ab程) 30m こやっぴ
  スラビーなフェースから凹角下の残置にてビレイ。

2P目終了点から20mほど歩いて取り付きへ。
今回はスラビーなフェースの左のルートに。

出だしはプチハングから一足乗り込んで、
細かいホールドでのハイステップやカチのガストンで立ち込みながら、
フェースを直上し、中間の草付バンド下を2-3歩トラバースしてバンドへ。


 明瞭な足場に1歩上がらないと残置ピトンに届かずにランナーが取れませーん。
正直にフェースに向き合うと、出だしの一足上げるムーブがムズいんですが、
ある秘密技を使うと簡単に登れます(A0ではないです) (笑

一歩登らずに手が届く位置にハーケンを打ってるコヤッピ。
アルパインは自分の安全確保と勇気確保ために躊躇なくハーケンを打ちます。 
(もちろん、回収もしますよ!)



出だしのハーケン打ちと寝不足が影響してか、ツルッとA0で突破(笑



そういえばここのビレイ点にあったちょっとグラつく腰掛岩がなくなってました。
ビレイベンチに最適だったのに...。



4P目(下部フランケ2P目) 5級- 45m こうの
第一凹角のハングを左から抜け、第二凹角のハングも左から抜けて、
階段状の草付を経て第三凹角基部の立木でビレイ。

第一凹角のハングのクラックにホールドを求めながら左の細かいフェースに一歩出て、
ハング上部のクラックにハンドを決めて乗り越してゆきます。
第二凹角も同じような感じで越えます。

凹角ではステミングした足が攣るわ、凹角に決めたい足が草で滑るわで、
違った意味で充実したリードピッチでした(笑




3P目の第三凹角(ビレイ点から)



なんか下の方で女性パーティーのコールが聞こえる。
下部フランケに取り付いてんのかな? 

はたまた、五尾根支稜では別のパーティーが妙なロアーダウンとかしてる...。


5P目(下部フランケ3P目) 4級+ 45m こやっぴ
 第三凹角のハングを左から抜けて草付のフェースを登り残置にてビレイ。

第三凹角のハングもヨイショって感じで左から抜けて、
後半は草付のそこそこ細かいフェースを直上します。
右に寄り(登り)過ぎると帰ってこれなくなるので、ご注意を。



これで下部フランケは終了です。
登りながらも奥壁まで継続するかどうか思案してましたが、この時点で14:00。

寝不足でキレがない状態を自己暗示で封印して登ってきたけど、
さすがにダマシは効かなくなってる二人(汗
更に2時間強の登攀の後に二俣でデポ品を回収して白根御池まで戻るのは、
かなりツラすぎるって事でDガリーを下降する事にしました。




6P目(草付バンド) 2級 45m こうの
草で足元が覚束ない部分もありますが、上部フランケ下まで歩いて残置にてビレイ。


7P目(Dガリー下降点へ) 5m 3級 こやっぴ

6P目のビレイ点から一段下がった位置の下降支点までクライムダウン。


8P目(Dガリー下降1P目) 45m
残置ハーケンの懸垂支点あり。
新たに捨て縄で補強。



しっかり50mダブルの間隔で懸垂支点があります。
(見落とさなければ...)


当初はクライムダウンを交えた軽い下降を目論んでいたのですが、そこはやはりバットレス。
終始クライムダウンが出来る傾斜ではなく、結局継続して4Pの懸垂を行い基部まで。

夏岩の季節の最初って事もあり、
それぞれの支点で残置の打ち直しと捨て縄での補強を行いました。


基部で登攀装備を解いて、誰もいない大樺沢の夏道へ。
基部に着いて緊張も解け一気に疲れが出てきたため、
白根御池までの下降は遅過ぎる程遅かったですね。

それでも白根御池に戻れば、縦走隊がベースを設営していてくれる安心感があり、
休みたい気持ちを我慢できました。


今回、こやっぴさんとは初のザイルでしたが、
今までの付き合いもあり違和感なく充実した登攀になりました。

下部フランケは3Pと短いですが、寝不足が助長した以上に気の抜けないピッチの連続なので、
ガツンときたみたいですが、これくらいの内容が楽しかったでしょ?(笑

次は奥壁への継続とピラミッドフェースに挑戦しましょう。
お疲れ様でした。

追記:

翌日に奥壁再挑戦ってプランは疲れのために崩れ去り、
縦走隊と北岳のピークハントに切り替えたのは黙っておきます。


注:ピッチグレードは自身の体感グレードです。


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