グラッチェ 会の記録


神奈川横浜を中心に、春山・夏山・秋山・冬山、すべての山で活動している山岳会です。
教育山行ももりだくさんです。ただいまメンバー募集中。

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2019年5月2日木曜日

杓子岳 A尾根

【日程】2019/04/28-29
【場所】杓子岳 A尾根
【構成】こうの・やご・のりお・ぐっさん
【形態】雪稜
【天候】快晴・曇り
【行程】
4/28(日)
猿倉駐車場[5:00]起[7:20]発--[8:16]猿倉台地--[9:28]小日向のコル--(双子尾根経由)--[11:52]樺平BC--幕営--[13:00]雪上訓練----就寝
4/29(月)
BC[3:00]起[4:40]発--[5:10]奥双子のコル~杓子沢トラバース~[6:20]A尾根下部岩稜帯--[6:45]A尾根下部雪稜--[8:40]樺の木--[14:00]終了点 [15:00]--双子尾根経由--
[16:55]BC 撤収[17:40]--(長走沢経由)--[18:45]猿倉駐車場






GWの前半を利用して杓子岳A尾根に行ってきました。
去年は双子尾根から杓子岳登頂してますが、今年はA尾根から挑みます。

初日は樺平をBCにして、テントを張って残った時間で雪上訓練(滑落停止、スノーバーの使い方、雪面の支点作成、スタンディングビレイ)を行いました。
A尾根はスタンディングビレイを多用する場所です。

BC~奥双子のコル~杓子沢トラバース


翌朝4:40発

奥双子のコルから杓子沢をトラバースして行きます。
気温はまだ低くアイゼンが効いて歩きやすい。
デブリが多く土曜日?に降った雪が雪崩れた後。
上からたまに石が落下してくる状態なので上の状況は特に気にしながらのトラバース。



奥に見えるのは杓子岳D尾根

落雪を避けながらA尾根下部岩稜帯まで登る

A尾根下部岩稜帯(休憩)からの景色
〇A尾根下部岩稜帯~終了(ダブル60m)
 ・先行 やご、ぐっさん
 ・後行 こうの、のりお

A尾根取付きでアンザイレンして樺の木に向かいます。
1Pやご 60m
雪稜から岩稜帯を登り雪稜に変化していく。
2Pぐっさん60m
樺の木を目指して雪稜を登るが足りないので途中でスタンディングビレー。
3Pやご 70m 樺の木手前まで
3P目で樺の木手前まで延ばした。ロープが足りなかったので
ランニングコンテで1本目のスノーバーまで登る。
気温が高くアイゼンに雪団子ができて登りにくい。


5Pやご 雪稜を登る。気温は高くなりアイゼンに雪団子が付き効かなくなるので落としながら進む
6Pぐっさん。A尾根の核心部ルンゼを進む。ここは雪の状態が悪いことが見た目で分かったので、こうのに先行してもらった。悪い雪の対処の仕方を直接見ることができた。支点はスノーバーと細い枝から取った。


ルンゼを乗り越えた先の右手側の稜線に上がり、先の広がっているところでスタンディングビレー。
この先は先行はランニングコンテ、後行は東京コンテで進む。
雪の状態は白く最近降った雪と、茶色になっている部分と2種類あり、茶色になっている部分の方が固くなっているので登りやすい。

7~8Pやご・ランニングコンテでこの斜面を登った先でスタンディングビレー
周りはガスで覆われていて視界も20mぐらいしかなかった。



9Pぐっさん 茶色の古い雪の部分から登るが気温が高く雪が腐っていて登りにくい。
アドバイスをもらいながら、蹴り込んで古い雪までアイゼンを効かせる。
踏み抜きそうな時は、雪を踏み固めながら慎重に登る。


10P(最終)ぐっさん
古い雪と新しい雪がまだら模様になっている状態で登る。
出だしはどんな雪の状態か分からなかったので様子を見ながら進む。
雪はザラメだったけど、蹴りこめば固まる雪で足元が崩れることはなかった。
途中、雷鳥の足跡があったのでそれに沿って登っていくと雷鳥を発見。
鳴き声を聞きながら登ると双子尾根の稜線に到着。
こうの組は右の双子尾根にトラバースして終了。
頂上は時間が無かったため次回に回しました

雷鳥はどこにいるでしょう?

〇終了~BC~下山
双子尾根をクライムダウンしていく。
ガスの中見通しが殆ど効かない中を進んでいく。
気温も高かったので雪も悪く油断はできない状態だった。


双子尾根から降りてくる途中に30cm位開いたクレバスがある。
これは去年もあったので毎年できるのかもしれない。

BCへ到着。
下山が遅れてるので速やかに撤収。
翌日は荒天予報なのに隣に緑のテントが一張ありました。

長走沢を下って猿倉台地へ。
白と茶色の縞々模様。
雪の硬さが違い歩きやすさも違った。

シリセードを使いながら下山。
下山は1時間弱で猿倉駐車場に到着。

 当初、白馬鑓ヶ岳南稜を予定してましたが小日向のコルからみた南稜がとても大きく1泊だけでは足りないというCLの判断で杓子岳A尾根に転身しました。
小日向のコルから双子尾根を歩き樺平まで移動。翌日に備えて雪上訓練を行いました。
 雪の状況は前日(土曜日)に降雪があったため、新雪が深いところで約20㎝くらいあり表層雪崩の危険性もあると話していました。その中でA尾根は雪稜が続き難しいルートになりました。雪の判断(色の違い)、2,500m付近で10℃を超える気温と雪が腐った状態、水分補給も余り取れない状態が続きました。
日本登山体系では3~4時間の目標で登攀する場所を倍の8時間かかってしまい、雪の判断、ルート判断に時間が掛かってしまい、技術不足とルーファイできない経験不足が課題になりました。



A尾根を中心にしたパノラマ写真


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