グラッチェ 会の記録


神奈川横浜を中心に、春山・夏山・秋山・冬山、すべての山で活動している山岳会です。
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2021年3月3日水曜日

阿弥陀岳 北壁右稜 (北西稜よりアプローチ徘徊)

【日程】2021/2/28(日)

【場所】八ヶ岳 阿弥陀岳 北壁右稜
【メンバー】こうの、やーご、こもり (ブログ記入)
【形態】個人山行
【天候】晴れ
【行程】2/28(日)
・予定:[3:00/3:45]美濃戸口-[4:00/4:30]美濃戸-[6:30]北西稜分岐-[7:30]小ピーク-[9:00]右稜取付き-[13:00]終了点/阿弥陀山頂-[14:30]行者小屋-[16:00]美濃戸-[16:30]美濃戸口--解散

・実際:[3:00/3:45]美濃戸口-[4:00/4:40]美濃戸-[6:30]北西稜分岐-[9:00]小ピーク-[10:00]北西稜第一岸壁取り付き-[12:15]右稜取付き、下山開始-[13:20]北西稜分岐[13:50]-[15:00]美濃戸--下山

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かねてからこうのさん、やーごさんが計画されていた、
阿弥陀岳 北壁右稜にお願いしてご一緒させていただきました。

一般的な北稜からのトラバースではなく、
北西稜を詰め、途中からトラバースして取り付く計画です。

結果は右稜取り付きにて時間切れ敗退となりましたが、
・アプローチで懸垂可能地点を探しながらのルーファイ
・木に阻まれながらの連続懸垂
・雪面のトラバース 等々
今後の山行のためにもなる、とても楽しい山行となりました。



長丁場のため、日の出前に美濃戸口を出発。
美濃戸→南沢と進み、行者小屋手前で右側が少し開けている箇所で一般道から右に分岐。
上二枚の写真(下山時撮影)にある、黄色、赤テープが目印。
計画通り、北西稜のアプローチを辿ります。

分岐後の樹林帯はトレースなし、膝丈のラッセルを進みます。
雪も締まらず沈みがち、苦労しました。

小ピーク手前で樹林帯を出る直前、露岩を右から巻く直前で小休止+ギアアップ。
アイゼンもここから装着。
この辺のラッセルが楽しく、笑顔がこぼれています。


樹林帯を抜け小ピークに出たところ、目標の阿弥陀北壁がきれいに見えます。
左から北稜、北壁左稜、北壁右稜、北西稜。
北稜から見た北西稜が格好いいと思っていましたが、この位置から見ると凄い迫力。
どれも登りたい。

小ピークから少し先、リッジが始まります。
中央にきれいに見えているのが北西稜、上部岩稜が核心部。
写真中、リッジが終わり一気に立ち上がる岩壁に突き当たる部分が第一岩壁基部。

既に全員満面の笑み。

リッジ通過の後半は、新人こもりがいたためロープを出してもらいました。
ビレイ・中間支点はよく探すと残置ピトン、木の根、岩角等が見つかります。
上の写真やーごさんは岩角にてビレイ中。


第一岩壁基部は足元の良いバンド状、しっかりした支点あり(上写真)。
北西稜を行く場合この支点を1Pの支点として、
バンド沿いに岩壁基部右側をトラバースするようです。

が、今回はここから北西稜の東側に懸垂下降、右稜を目指します。
ここから先が楽しい徘徊となり、強く印象に残りました。。。


第一岩稜基部から右稜取り付きまでは下記通り。
① 懸垂 (40m程?、上記ボルト支点)
② ①の着地点から連続懸垂 (40m、立木支点)、着地点でロープ1本仕舞う
③ 雪面トラバース (水平に30m程度)
④ 懸垂 (15m程?、立木支点)
⑤ 雪面トラバース (斜左上に50m程)、右稜取り付き着

①いきなりの奮闘的懸垂下降。。。

振り分け懸垂(絡まること予防)でこうのさんが先頭を行ってくださいました。
途中、木と格闘する(楽しそうな)うめき声が下から聞こえてきます。。。

② ①の着地点から連続懸垂 (40m)
ロープが木に絡まないよう、余分なロープは上に残る人が持っておき、
懸垂している人が降りるに従い少しずつ送り出しました。

③のトラバース後、右稜方面の様子を伺うこうのさん
こうのさんが立っている位置の立木を支点に、④懸垂下降

⑤ 雪面トラバース (斜左上に50m程)
北壁内トラバースは、いずれも雪質はよくアイゼンがよく効いた。
さすが北壁、陽の光が当たらない。
新人こもりはトレースの無い雪面のトラバースも初めて、
聞いていた通り、トレース無いと最高に気持ちいいですね。

やっと右稜末端の取り付きに到着。
12時を回っていたため、ここで撤退の判断、下山開始。

下山は北壁下部の斜面から下山。
お決まりの?シリセード。
ベテラン2人は程よい傾斜の長い斜面に喜ぶ。
こもり怖がる。

地形なりに下り、途中アプローチ時の自分たちのトレースに合流、
一般道から分岐した地点に戻りました。


これまでの山行では分かりやすい道 (一般道、トレース etc...)を通っていたため、
ここまでルートそのものを探し、一般的な道を外れることは初めてでした。

地形や諸々の条件を見ながら進むことはとても楽しく、
今回は各種判断をベテラン先輩方に頼り切っての山行でしたが、
自身でもこのルーファイが出来るようになれば
さぞ楽しいだろうとの思いを強くした山行でした。
今後も同じような山行を行って、経験を積んでいきたいです。

ご一緒させていただいたこうのさん、やーごさん、
ありがとうございました!


おまけ

今回の山行でアドバイスいただいた点、気になった点等
懸垂下降の注意点諸々。

・懸垂後の行動をよく考えてからセットを始めること
 →連続懸垂なら途中の支点をどこでとって、最終的にどこまで降りるか可能な限り決める
 →降下後の地形、セルフをとる支点はセット前に確認必須
・懸垂後のロープ手放さないこと
 →ロープが振られると回収出来なくなる、
  ロープが回収できないと以後の行動が全く取れないので注意
・懸垂中のロープ余分、自分より上で木などに絡まると回収出来なくなる
 →降りながら手が届くうちに処理すること
・懸垂一本はロープを抜く前であれば登り返しで挽回できるが、
 連続懸垂の場合は登り返し不可になる
 →ロープを抜く前に、連続懸垂での降下先を確認して慎重な判断を
・50mロープ一発でどこまで降下出来るか、
 目で見てロープ一杯の着地点が分かるよう感覚を身につけること

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