グラッチェ 会の記録


神奈川横浜を中心に、春山・夏山・秋山・冬山、すべての山で活動している山岳会です。
教育山行ももりだくさんです。ただいまメンバー募集中。

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2021年2月3日水曜日

阿弥陀岳 北稜

【日程】2021/1/31(日)

【場所】八ヶ岳 阿弥陀岳 北稜
【メンバー】こうの、やーご、こもり (ブログ記入)
【形態】個人山行
【天候】晴れ
【行程】1/31(日)
・予定:美濃戸口発[6:00]-美濃戸[7:00]-(南沢経由)-[9:30]行者小屋[9:30]-[10:30]JP-[12:00]第一岩稜下部、撤退開始[12:15]-(同ルート下降)-[14:00]行者小屋-(南沢経由)-[16:00]赤岳山荘

・実際:美濃戸口発[6:00]-美濃戸[6:45]-(南沢経由)-[9:00]行者小屋[9:45]-[11:00]JP-[12:00]阿弥陀岳山頂-(同ルート下降)-[14:00]行者小屋[14:30]-(南沢経由)-[15:50]赤岳山荘

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こもりの冬山バリエーションデビューに、
阿弥陀岳北稜にご一緒させていただきました。

結果は岩稜基部で時間切れ撤退に終わりましたが、
ラッセル、締まらない雪の急傾斜の登下降、撤退の判断、支点を探しての懸垂下降と、
本当に充実した内容でした。

こうのさん、やーごさん、ありがとうございました!


前日は美濃戸口にて前泊、まずは入山祝い。
小屋の方も参戦しての楽しい会話は夜遅くまで続きました。。。

当日は南沢経由で入山、行者小屋でギアアップしスタート。

分岐

分岐後はしばらく中岳沢を進む
奥に阿弥陀岳
この辺りから徐々にガスが晴れだす
雪は全面モナカ雪、膝下のラッセル

右側の尾根に乗り込む
ここもモナカ雪のラッセル、膝丈

雪質は締まらないモナカ雪、ラッセルで中々進まない。
苦戦していると、下のようなラッセルのコツを教えてもらえました。
・膝を雪面に突っ込む
 →固まるのを待つ
 →出来たステップにつま先から蹴り込む
 →荷重を分散しながら乗り込む
・荷重した足に少しでも沈みを感じた場合
 →それ以上踏み込まずに周りの雪を落とし、改めて固まるのを待ってから乗り込む


尾根に乗り出してから一息
ここからはずっと快晴

尾根上は締まらない雪の登降

傾斜と雪質で使いやすいピッケルのポジションが違うため、色々と試す必要あり。
途中の急な草付きも、ピッケルを思い切り突き刺すとバチ効きした。
下りでは怖いと感じたら、
すぐにより安全な下降方法(前向き→横向き→後向き→懸垂下降)に変えること。

岩稜基部到着。

この時点で12時
+前のパーティがロープワークに苦戦してかかる時間が読めなかったため、
ここで時間切れによる撤退の判断。
以後快晴の赤岳、横岳を見ながら慎重に下ります。





一番急な箇所は懸垂下降

ルート脇を少しトラバースして立木にセット。
自身は支点に使える立木に気づけなかった。
「登るときから撤退路と支点に使えそうな物を意識して登る」旨アドバイスをもらう。

同ルート下降→行者小屋→南沢→美濃戸→下山となりました。


今回の撤退の原因を振り返ると
・想定外に締まらない雪にラッセルが増え、尾根線に上がるまでの時間がかかった
・そもそも日曜、八ヶ岳の人気ルートはパーティー数が多く渋滞しやすい
といった内容。
出発を早くする、途中の荷物出し入れを短縮する等の対策が必要そうです。


雪山がやりたくて会に入れてもらったのがほぼ1年前、
その頃はルートの名前も全く知らず、懸垂下降も出来ない状態でした。
会の先輩に色々と教わり、練習しながら山に入った一年間を経て、
今回の山行でようやく本格的な登山の入り口に立てた気持ちです。

どこまでも快晴の八ヶ岳を見ながら、
改めてよく練習し、いろいろな山に入りたいという思いを強くしました。




おまけ

当日の気温実測は下記通り。
-11℃    @岩稜直下 (2,700m)
-7℃     @撤退後行者小屋 (2,300m)
-3℃     @下山後駐車場 (1,750m)

これだけ見ると寒そうですが、実際は風も弱く日当たりが良かったため、
行動中寒さを感じたのは稜線上で風が強くなった少しの間だけでした。
微風、日当たり良好で濡れ要素がないと、気温自体は低くとも快適なものですね。

一方で下は700hPaの高層天気図。
八ヶ岳から一番近そうな記録として東京近傍を見ると、-11.9℃の表記。
岩稜直下(標高2,700m)の実測気温とほぼ同じ気温が出ています。
当然と言えば当然ですが、
高層天気図を見ると相当する標高の気温はかなり正確に分かることを実感しました。

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